すでに生産販売終了しましたが、PANELHOUSEの組立手順について説明いたします。
キットは初心者でも組み立てを楽しめる商品づくりのために、パネル式にして部品単位重量をすべて25kg以下にするように製作していました。
枠材はツーバイフォー材を使用し、耐力壁の合板は厚さ9mmの北海道産針葉樹合板を使っていましたので、完成すると枠組壁工法の小屋になります。
組立後に塗りにくい床、屋根、梁パネル、破風板は取付前に塗装しておくとよいでしょう。
基礎設置
作業にとりかかる前に、基礎はしっかり検討して設計する必要がありますが、ここでは基礎にふれず、キット躯体の作り方のみを説明します。
のちに壁や屋根が正しく組立できない原因となるので、基礎は水平が重要です。
↓間口5.4×奥行3.6mの6坪キットハウス躯体を2日間三人で組立てた定点映像。それを20分に短縮した動画で参考になればうれしいのですが。
床の組立
床板の合板は厚さ24mmを使用し、さね付きなので床鳴りしにくく、根太が910mm間隔で良いので組み立てが楽になり、強度が高くて好評でした。
さねがしっかり入ったことを確認して、65mmコーススレッドでとめてます。
↓ここまで完成させるために基礎を転圧し水平を何度も確認して、私なら2日かけて作業すると思います。
基礎間の水平確認も大切ですが、最終的に床板が水平に設置されていることが最も大切です。
床板を取り付けて水平を確認し完成しても、壁や屋根の取付時に床水平を調整することがあるので、まだ、束石とは連結しないでください。
壁・ドア・梁の取付
コーナーの壁パネルは、四隅分を組み立ててから立て込みます。
四隅のコーナーを作った後に、壁パネルとドアパネルを取り付けます。
全ての壁が組み合わさるまで、強風時では壁が倒れてしまいますので、仮設資材で補強したり、複数の作業員が抑えるなどの対策が必要です。
梁パネルの取り付け
梁パネルとは、三角形のパーツで屋根の勾配を付けるための部材です。
現場で勾配加工をすると、とても時間がかかり、精度が落ちる可能性があります。
ツーバイ材を組み込んでおり、重いことから分割されているので、先に梁パネルどうしを連結してから本体と連結します。
小屋組み
PANELHOUSEの小屋組みは、工場であらかじめ作ったトラスを組み上げる構造ですが、前後の軒出し部分はトラス部品で作ることができません。
そのため、「はしご状」の屋根パネルという部材を、左右分、連結してから本体と取り付けます。
先に取り付けた屋根パネルとトラスを連結し、455mmピッチでトラスを取り付けていきます。
野地板の取り付け
この時点で床の不陸や壁のたわみにより、トラスで作る屋根形状には、問題が生じています。
野地板合板は正確な寸法です。
それに合わせるように端から取り付けていきます。
1枚目にいきなり野地板の角(コーナー)が合わない事がよくあります。
屋根面全体のゆがみがあり、基礎の不陸が原因と考えられます。
四隅のどこかの基礎をジャッキアップすると、野地板の角が合ってきますので、うまく合った時にコーススレッドでとめてしまいます。
屋根材の取り付け
軒先は水切り金物を取り付けて、屋根全面に防水シートを張ります。
シートの重ね巾は、最低でも10cmは重ねるようにします。
タッカーでとめていきますが、下地シートとはいえ穴が開くことになるので、タッカーどめの箇所は最低限にしておきます。
アスファルトシングルは、コーススレッドでとめると雨漏りの原因となりますので、必ず専用釘を使用して取り付けます。
施工方法に規格がありますが、アスファルトシングルで防火認定を受けた資材は、建築基準法施行令第136条2の2第一号及び二号の(防火地域または準防火地域内の建築物の屋根)の規定に適合しています。
屋根材は、軒先から張りすすめます。
↓頂点となるの棟部分は、アスファルトシングルを切って重ねるように張りつけます。
破風板を取り付ける
屋根の組立作業の最後は、1×6材の破風板の取り付けで、屋根まわりが完成となります。
外壁材の取付と塗装
外壁材は最下部から重ねて張りつけます。
乾燥収縮による割れが拡大しないように、外壁材は左右を釘2~3本でとめていきます。
↓ときどき、水平が維持されているかを確かめながら、一段ずつ取り付けていきます。
外壁材は水平にして塗装すると色ムラがでにくくなり、塗装してから取り付けると仕上がりが良くなります。
塗装作業は、塗りにくくて細かいところから塗り始めるのが鉄則です。
仕上げ作業
外壁材を貼り終えたら、コーナー部分に1×4材の仕上げ材を取り付けて完成です。
PANELHOUSEの細かな作業は、下記の組立説明書に記載されています。
↓↓↓ツーバイフォー工法の小屋作りの参考にお使いいただければ幸いです。
コメント