タイニーハウス、スモールハウスと聞くと「ログハウス」を思い浮かべる方がほとんどです。
北米や北欧の寒い季節に暖炉でくつろぐ人をイメージですね。
ログハウスにはあまり南国のイメージがありませんね…。
DIYで小屋を建てる方も、最初はログハウスを検討されます。
でも、よく考えた結果、多くの方は別の工法で建てられます。
ログハウスは丸太そのままを贅沢に使い豪華な印象があります。
DIYとしてはちょっとハードルが高いログハウス。
その特徴をまとめておきます。
ログハウスの良さや特徴
ログハウスは太い丸太をそのまま使って建てます。
そのメリットや特徴はどんなことでしょうか?
無垢の樹木を使っている
ログハウス購入を検討される理由は、無垢の丸太をそのまま使用している構法だからだと思います。
加工したり工業製品ではない丸太は自然をイメージさせます。
極力、人の手が加わっていない状態の建物に感じられるのです。
建材そのものに自然の豊かさを感じられる点が、大きなメリットでしょう。
耐用年数がとても長い
加工しないで丸太をそのまま使っているので、建材が長持ちします。
海外では建築後100年以上経つログハウスもたくさんあります。
放置しているとログハウスも腐朽がすすみます。
しかし、こまめに防腐塗装するなど管理して住み続ければ、一生暮らすことができます。
無垢丸太ならではのログハウスの特徴です。
シックハウス対策として
ログハウスの丸太は合板のように接着剤を使用していません。
ホルムアルデヒドの飛散がありません。
シックハウスの原因物質がほとんどありません。
自然派の方に求められる利点かも知れません。
オーガニックな住環境と言えます。
アレルギー体質の方が症状を改善するために、ログハウスにたどり着くというケースもあります。
建てるのが簡単そう…
ログハウスは作るのが簡単そう!
キットハウスを検討しているお客様に聞きましたが、 ログハウスは構造が理解しやすいため「建設が簡単そうに見える」といいます。
確かに丸太組構法(校倉造り)は丸太を組み上げるだけです。
たしかに構造は単純です。
しかし、そこには丸太の重さを忘れている誤解があります。
軽く見えるのですが丸太は細くても100kg以上になります。
重機なしでは取り扱い不可能です。
それだけ危険性が高まります。
そのため、ログハウスを建てることができる工務店はとても少ないです。
構法としては簡単そうに見えて、実は最も難しい建築構法とも言えます。
こんな方はログハウスを避けるべき
数多くのキットハウスユーザー様と接してきました。
ログハウスを検討中の方でこれらに該当する方は、今一度ログハウスの購入を考え直してください。
セルフビルドで小屋を建てたことがない
小屋を建てたことがないのに、いきなりログハウスに挑戦するのは避けるべきです。
ミニキットのログハウスなら入門的で良いと思います。
マシンカットのキットでも住宅レベルのログハウスは、初心者には建設が難しいでしょう。
とても専門性の高い構法です。
お近くの建築業者がログハウス構法の知識経験を持っているのは稀です。
修繕工事費が高価に
ログハウスの値段はもちろん、メンテナンスや設備工事も価格が高くなります。
想定しておかないとランニングコストに悩むことになります。
住宅は水道管や電気、トイレ風呂等の設備に修繕工事が必ず発生します。
ログハウスは配管配線が特殊です。
ちょっとした設備の故障でも通常住宅より、修繕工事価格が高くなる可能性があります。
外装塗装やサッシまわり屋根修繕工事も、通常住宅より高価になると予想されます。
高性能な住宅を求めてる
近年の省エネルギー住宅は高性能です。
それをログハウスに求めるには少し無理があります。
設計において高気密なログハウスも確かに可能です。
丸太の風合いを損なったりコストがかかります。
くるいや割れが発生するのも無垢の丸太の特徴です。
20年経過してから割れが発生したりします。
ログとはそういうものなのです…。
丸太は人工乾燥で樹心部まで含水率を落とすことができません。
経年や季節により乾燥が進み、ログが動き続ける性質を理解すべきです。
防火地域・増改築が難しい
一部の特殊な加工を施したログ丸太は耐火性能をもっています。
認定された建材として防火地域でも使用できるログがあります。
しかし、ほとんどのログハウスは防火地域で建築することはできません。
駅前や繁華街のような防火地域で、ログハウスを見かけないのはそのためです。
増築、改築も難しいです。
躯体強度を落とさないように構造計算して施工できる工務店も限られています。
リフォームはログ躯体をいじらずに内装ベースで計画することになります。
ログハウスにするならコレはあきらめる…
それでもログハウスを欲しい方が、あきらめなければならないことを紹介します。
断熱性・気密性
「丸太は乾燥で含水率が変わり、常に動くもの」と考えておいてください。
そのため丸太間に隙間ができてきます。
「すき間風」が感じられたりします。
気密性が失われます。
断熱性能が良い建材を使用しても性能が実感できないことがあります。
冷暖房コストがやや大きくなることを覚悟しなければなりません。
価格
ログハウスの値段は高価で知られてます。
忘れてはならないのは修繕時にも費用が高くなる傾向があります。
ギリギリの予算では完成後の修繕資金計画が厳しいです。
ログハウスにするなら資金に余裕を確保しておくべきでしょう。
ざっくりですが私の経験上、費用は通常の住宅の2倍と考えておいてください。
メンテナンス
工業製品の外装材はメンテナンスフリーな商品も多いです。
無垢のログ丸太は自然素材です。
こまめな防腐管理が必要です。
外装、内装の塗装が1~3年おきに必要なことも理解しておきましょう。
シロアリなどのが木食害虫にみまわれることも多くあります。
日頃よりログの点検や駆除の手間がかかることも考えておいてください。
こんな人に向いてます
後悔していただきたくないために、ログハウスに悲観的なことを紹介しました。
でも、購入し満足してログハウス生活を満喫してる方も大勢おります。
今も「ログハウスが欲しい」という方が多いです。
こんな方に向いていると思います。
木が好きな人
- とにかく木が好きでいつも丸太に触れていたい
- 無垢の丸太を感じていたい
こんな方におススメです。
ログハウスの室内は森の中のような、無垢の丸太が発する何とも言えない「匂い」があります。
コレは一般の住宅建材にはありません。
室内に居るだけでダイレクトに丸太に触れてるわけです。
「木を感じる家」というのはログハウスだけなのです。
住宅の手入れが苦にならない人
ログハウスは防腐でメンテナンスに手間がかかります。
こまめに点検したり害虫を駆除することが、面倒に感じない方におすすめです。
二階建てだと足場が必要です。
できれば平屋建てにして、少しでも自分で管理できるログハウスを計画するのがおすすめです。
自然派、オーガニック派に
やはり、ログハウスがおすすめなのは「無垢の丸太に自然を感じられる点」でしょう。
自然の森の中のような環境が室内に再現されるのです。
数ある建築構法でログハウス以外に考えられません。
丸太に囲まれて過ごしたい自然派には、ログハウス以外に無いとも言えます。
暖炉にあこがれてる人にもログハウスは最適です。
最近の住宅は高気密で工業製品化してきています。
省エネ住宅や高断熱を捨てても、自然を優先する方にログハウスはおすすめです。
コメント