暑さ寒さで屋根断熱を考え「住める小屋」実現?

暑さ寒さで断熱を考える 小屋を作る

夏の暑さ、冬の寒さを思い出してください。

住宅と同じく小屋も断熱を考えて計画しないと後悔します。

ログハウスといえば薪ストーブをイメージしますが、まず、寒さへ備えた断熱を考えましょう。

セルフビルダーの失敗に多いのが、無計画に「とりあえず作業を始めてしまう」ことです。

小屋にも住宅のような断熱を求める方も多くなり、より計画と設計が大切になってきました。

完成後の断熱の後付け施工は、効果が得にくく施工が面倒になります。

設計段階から検討が必要となりますが、どこから手をつければいいのでしょうか?

木は高断熱

木材の断熱性能はコンクリートの11倍、レンガや土の4倍です。
※熱伝導率をもとに計算

木材の断熱性能はコンクリートの11倍、レンガや土の4倍です。

頑丈なレンガやコンクリートの断熱性能は意外に低く、木造は断熱にとても有利です。

断熱に有利な木造の性能をさらに引き出すのが断熱設計で、屋外の温度変化に影響されにくい小屋の断熱計画をしてみてください。

寒さの断熱は、ドア窓から屋根へ

木製ミニログキットハウスにも重要な建物の熱損失

室内の熱を失う建物放熱の約70%はドアや窓の開口部から失われます。

寒さに対して小屋(低断熱建物)断熱するときに、最初に検討すべきはドアや窓の開口部です。

断熱を考えるなら開口部から

ガラスなどの窓面やサッシから熱が逃げやすいのです。

建付けが悪いとドアや窓の隙間風でも熱が逃げてしまいます。

熱貫流率において「樹脂サッシ+複層(ペア)ガラス」は「アクリル樹脂」に比べて断熱性能が約3倍以上あり実感できるでしょう。

ドアや窓の開口部が多い小屋を計画しているなら、完成後の断熱について入念に検討すべきです。

壁から断熱は間違いではないですが…

壁の断熱は間違いではありませんが、もっと断熱効果を実感できるのは屋根や開口部です。

小屋を作ろうとする方は壁から断熱を考える人が多いです。

壁断熱は間違いではありませんが、もっと断熱効果を実感できるのは屋根や開口部なのです。

サッシの気密性、複層ガラスの断熱性は、壁にグラスウールを入れるよりも断熱効果を実感しやすいです。

小屋のような小さな建物において壁の断熱は、屋根と開口部の断熱の後回しでも良いと思います。

積雪なら屋根断熱も必要

冬に暖房するときは、天井付近の熱を屋外に伝えない屋根断熱が必要です。

ストーブを使う冬の暖房には、天井付近の熱を屋外に伝えない屋根断熱が効果を発揮します。

屋根が暖まるとその上の積雪を融かし、融雪凍結を繰り返すと屋根資材を痛めることになります。

そして、屋根資材の劣化がすすむと雨漏りの原因になります。

屋根断熱すると暖房効率も良くなり屋根上に熱が伝わりにくくなって、積雪を融かすこともありません。

ですから雪が降る地域に屋根断熱がおすすめなのです。

断熱したら氷点下でも小屋に寝泊まりできる

私は6畳の小屋に電気ヒーターを微弱で付けて寝てましたが、寒いと感じることはありませんでした。

冬キャンプを経験してる方はわかると思いますが、氷点下の中、断熱しない小屋で寝泊りするのはとても寒いです。

屋根と壁があれば風雨は避けることができますが、冬季寒冷地で寝泊りするには断熱が不可欠です。

私は何度も断熱小屋で経験しましたが、断熱した建物なら外気が氷点下でも快適に眠れます。

6畳の小屋に電気ヒーターを微弱でONにして寝てましたが、寒いと感じることはありませんでした。

断熱施工することで遮音性も高まり、室内が静かになるのもメリットです。

暑さの断熱は屋根から

夏の太陽熱が屋根から室内に入り込むのを防止する効果もあります。
屋根断熱は太陽熱が室内に入り込むのを防止

直射日光を受け続ける屋根の表面温度上昇は激しく、屋根断熱は夏の太陽熱が屋根から室内に入り込むのを防止する効果があります。

クーラーの効きが良くなり省エネでエコです。

南国特有の豪雨の時に、室内が雨音で轟音になることも防いでくれます。

ただし、室内暑さの原因は屋根だけではない

夏の西日は暑い日の午後から太陽の日射熱でさらに室内温度を上昇させ室内居住性を悪化させます。

熱気が入り込まないように屋根断熱をおすすめしますが、暑さを防ぐために屋根断熱だけでは解決しません。

西日をモロに受ける条件だったり、窓の向きや数、換気や構造も影響してくるため、暑さ対策すべてを屋根断熱だけでは解決できないのです。

特に夏の西日は、猛暑の日の午後から太陽の日射熱でさらに室内温度を上昇させ、室内居心地を悪くさせます。

暑さへの断熱を考えるときに「西日」が入らないように、または遮熱の対策を考えておきましょう。

小屋の屋根断熱方法

屋根断熱はクーラーの効きが良くなり、省エネでエコです。
押出し発泡ポリスチレンは施工しやすい

屋根の断熱は完成後に追加して施工することが困難で、小屋を作る前に屋根断熱するかどうかを決めておいた方が良いでしょう。

スタイロフォーム(押出し発泡ポリスチレン)系の資材ならホームセンターで手に入りやすく、施工も難しくはありません。

断熱の決め手は、気密テープで隙間なく

継ぎ手は気密テープでとめる。
断熱効果の決め手は気密

ただし、継ぎ手などを隙間なく気密テープでしっかり塞がないと断熱効果を得られません。

断熱材をピッタリ隙間なく並べて、継ぎ手は丁寧に気密テープでとめるのがコツです。

少しでも隙間があると設計どおりに断熱効果を得られません。

小屋の屋根の断熱方法につきましては、下記をご参考にしてみてください。

小屋に大切!費用対断熱効果

価格を調べて計算してみるとわかりますが、断熱で使うシートやテープ等でも費用がかさみます。

小屋を作るのは低予算だからメリットがあり、限られた材料予算で計画しなければなりません。

押出し発泡ポリスチレンは厚さで価格が大きく変わります。

断熱の費用を見積ろう

小屋であっても、断熱資材の費用がけっこうかかります。

小さな小屋であっても断熱資材費用がけっこうかかります。

屋根断熱で使う押出し発泡ポリスチレン等は、単価が¥2,000~¥3,500/m2で、厚みや性能により単価が変わります。

気密テープや各種シート、追加合板など様々な資材を合わせると、屋根断熱のために数万円から十万円を超えたりして予算が必要です。

屋根断熱は間違いなく効果を実感できますが、計画の時に予算を把握しておく必要があります。

屋根だけやっておいて…

私なら、後からやると屋根材が無駄になるので設計時に屋根断熱だけは必ずすると思います。

予算が許せば、ドアや窓などの開口部に断熱性能が高い樹脂系サッシや複層ガラスを、ネットでまとめて買うでしょう。

完成後、1~2年ほど小屋を使ってみてから屋根付近の断熱が不足していれば天井断熱、壁や床が足りないと感じればグラスウールで追加DIY断熱を考えると思います。

この方法がセルフビルド小屋において低予算で断熱を一番実感できて、トータルコストを抑えることができるのではないでしょうか。

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