小屋で最初に考えるべきトイレ

小屋で一番最初に考えるべきなのはトイレ 設備

週末だけ田舎暮らしをしたい方が増え、小屋作りに挑戦する方が多くなりました。

グランピングのようにしたり、ウッドデッキを作ったりと夢が広がります。

広さ、デザイン、予算など、いろいろ考えていると思います。

一番初めに何から手を付けたら…

という方もいます。

そんな方のために、ちょっと意外なアドバイスをします。

小屋の前に最初に考えるべきは、トイレです!

トイレは小屋作り前の重要問題

山林内でもトイレ問題をしっかり解決できれば、落ち着いて小屋づくり計画を開始できます。

憧れの田舎暮らしの夢を描いている時に、トイレの話で申し訳ございません。

でも、場所選びをしている時にだってトイレに行きたくなります…。

何をするにも、まずはトイレ問題から考えましょう!

田舎のご近所関係悪化にもつながる大問題

人があまり居ないのでその辺で用を足したり、コンビニのトイレを借りたりするのもマナーやモラルの観点からどうかと思います。

衛生上、せっかくの自分のフィールドを汚したくないものです。

もし近所の方に見られたら、自分達の土地が汚されてるわけで良い気がしないはずです。

都会と違ってムラ社会では助け合わないと快適生活を維持できません。

一度、人間関係を悪くすると修復するのに大変苦労します。

山林内でのトイレの問題をしっかり解決できれば、落ち着いて小屋づくり計画を開始できます。

計画の段階でも必要なトイレ

現場に着いたら、すぐにトイレが必要なこともありませんか?

自宅から2時間かけて田舎暮らしフィールドに到着したとします。

小屋を作る前の現場に到着したら、まず、最初にトイレが気になりませんか?

冬の寒い時期なら頻度が増すはずです…。

そうなんです、トイレは小屋作りする前から必要なのです。

多くの小屋作り挑戦者と接しましたが、計画設計段階でトイレから考える方が非常に少ないです。

皆さんは小屋を完成させてからトイレを取り付けようとします。

それは誤りです!

先にトイレから設計して小屋作りを進めていきましょう。

水洗が必要か?

当たり前ですが水洗トイレには水道が必要です。

建物に上下水道を利用するのかは、予算上でとても重要な問題です。

水洗トイレには水道が必要です。

ここでよく考えておきたいのは、上下水道の引き込み費用が安くないということです。

上下水道を利用するには…

一般住宅の場合は、市街地に公共の水道本管が埋設されています。

住宅建築時に本管から引き込み管を取り付けて水道を利用します。

管の分岐や埋設深度、距離、工事条件にもよりますが、30~60万円というのが私の相場観です。

しかし、これはあくまでも開発された市街地での価格です。

山林には本管が近くに来ていません。

引き込み管をつなぐには長い距離の水道工事が必要になります。

驚くような工事費用になることもあります。

浄化槽ではどうか?

近年の浄化槽はトイレ汚水とともに雑排水も一緒に処理する合併浄化槽が主流です。

当然ですが、トイレの汚水をそのまま河川に流してはいけません。

汚水は処理してからなら河川に流すことができます。

その処理をするには浄化槽を設置する必要があります。

浄化槽はブロワに電気を使いますし、汲み取りが必要です。

清掃などのメンテナンスにも費用がかかります。

近年の浄化槽はトイレ汚水とともに、雑排水も一緒に処理する合併浄化槽が主流です。

単独浄化槽よりも、この合併浄化槽の方が高価です。

小屋暮らしにうまく合うような小型浄化槽がないので、費用は少なくとも100万円くらいはみておいた方が良いでしょう。

浸透ますって何?

浸透桝は処理された水をながす河川などがない時に地中に処理水を浸透させる方式

小屋暮らし計画をされている方に

浸透ますで汚水処理する…。

と、言う方がいます。

浸透桝は処理された汚水をながす河川などがない時に、地中に処理水を浸透させる方式です。

この方式を勘違いして、汚水を未処理のまま地中に浸透させても良いと考えている方がいます。

汚水を垂れ流すと近隣の河川や地下水、土壌の汚染につながることは明らかです。

浸透桝は浄化槽などで処理された排水を地中にしみこませて処理する設備です。

汲み取り式の仮設トイレが最安値

建設現場によくある汲み取り式の仮設トイレ

水洗トイレが快適なのは間違いありません。

工事現場やイベント会場にある仮設のトイレは、けっこう歴史があり最安価で設置運用が可能です。

市町村によりますが、汲み取り費用も数千円と安くてメンテナンスも楽です。

最新仮設トイレの進化

最新の仮設トイレは進化しています。

消臭力がすごかったり、水を流せたりして快適です。

なかには手洗いが別になったり、ウォシュレットまで付いたタイプもあるようです。

以前に比べるとバイオ技術が研究され、臭気はかなり抑えられていると思います。

女性は仮設トイレがダメ

男性と女性ではトイレの考え方が、かなり違います。

建設現場によくある汲み取り式の仮設トイレは、女性から見ると抵抗があります。

消臭力がアップしたとはいえ、夏場はどうしても臭いを完全に抑えきれません。

汲み取り式という処理方式そのものが気になる女性もいます。

女性の中にはトイレが原因で、アウトドアライフやキャンプをためらったりする方もいます。

バイオトイレも選択肢に

バイオトイレ(コンポストトイレ)は分解が適切なら臭いがしない。
バイオトイレ(コンポストトイレ)

バイオトイレ(コンポストトイレ)を長年使った経験がある方はあまりいないかもしれません。

私たちはキットハウス展示場で、数台を5年間くらい使っていました。

トイレが付属したキットハウスを発売したことがあります。

電気なしでも十分

各メーカーのバイオトイレには大きく分けて、電気を使うものとそうでないものがあります。

各メーカーのバイオトイレには、大きく分けて電気を使うものとそうでないものがあります。

処理構造は菌の力で汚物をバイオ分解します。

電気で温めることにより、菌の処理能力を高める効果があります。

低温ですと菌の活動が弱くなり、分解能力が不十分になりがちです。

ここで重要なのは使用頻度です。

2人までの使用なら電気無しでも気になりません。

気温5℃を下回ると菌による分解能力が落ちる気がしますが、しっかりメンテナンスしていて暖かくなると再度分解処理されていきます。

短時間に多量は処理できません

バイオトイレの弱点は、一度に多量の分解処理ができない点です。

一般的に一台で1~4人の利用で設計されてます。

仮設トイレはイベントなどでも使われてて、タンクが満タンになるまで使えます。

一方、バイオトイレはその都度分解するので短時間処理できません。

ここが仮設トイレとの大きな違いです。

宴会や集会で多人数が集まって利用するには不向きです。

メンテナンスは?

バイオトイレには換気のためにファンをまわす小電力が必要です。

夏場に仮設トイレとの違いをハッキリ感じられます。

バイオトイレは臭気がほとんどありません。

水洗のような清潔感がありませんが、臭いが全然しないのは驚きます。

最初は抵抗がありますが、目の前で殺菌浄化されていくので慣れてくると気持ちよくなります。

メンテナンスは時々、落ち葉やおが粉など菌のエサ、水分を与える事と、わずかな換気のためにファンをまわす小電力が必要です。

電力は小型の太陽光パネルで十分です。

トイレを実験的にスタートしてみては?

小屋暮らしにかけられる予算が100万円の方だと自動的に仮設トイレやバイオトイレ

小屋作りにおいてトイレ問題は、最初にして最大の問題です。

多くの小屋暮らしを見てきましたが、小屋に上下水道や浄化槽を設ける方は少ないです。

やる方は予算を500~1,000万円かけられる人々です。

そんな方はボイラー整備もし風呂が設置され、ほとんど住宅と変わらない給排水設備にされます。

かけられる予算が100万円程度の方だと、自動的に仮設トイレやバイオトイレになります。

利用頻度に注意

小屋は毎日トイレを使わないかも…

トイレなどの水まわりは住宅のように継続して使わないと設備が劣化します。

せっかく設備を整えても数カ月使われない状態が続くと、新しくても不具合が起きたりします。

将来的に別荘のような小屋ライフを考えていても、最初は仮設トイレやバイオトイレにしてコストを抑えて実験することをおすすめします。

携帯ウォシュレットもたくさんの種類があり、高性能な製品があります。

トイレ問題は非常災害時の備えとして参考になります。

コストをかけない簡易トイレでの実験が、小屋作りのスタートにおススメです。

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