基礎工事費用に目安となる価格がありませんよね。
住宅と同じ布基礎やベタ基礎にしたら、値段はどれくらいですか?
という質問が多いです。
一般の方が「高いのか、安いのか?」を判断するには難しいですよね。
基礎工事にかかる費用の算出は条件によるので複雑です。
同じ面積の基礎工事でも、地域や条件によって2倍や3倍の費用がかかることもあります。
基礎工事費の見積もりには、設計が必要
小屋などの小さな建物の基礎工事でも、費用が高額になることがあります。
見積りは、基本的に工期や材料費、施工手間等で積算されますが、様々な要因が影響します。
地盤
軟弱地盤では基礎全体が沈下して建物が傾く可能性があります。
地耐力という地面の硬さで地盤改良等を判断しますが、軟らかすぎる時は地盤の支持力を上げる工事をしなければなりません。
反対に硬すぎて、岩盤や岩石の除去があると工事費が高額になります。
掘削すると地下水が出てきて止水工事が必要になったり、土壌汚染や意外な埋設物が存在することもあり、基礎工事ではさまざまな問題が起きたりします。
数が多く複雑な配筋
基礎は一般的に鉄筋コンクリートなので、鉄筋を組み上げて配筋します。
建物荷重や軟弱地盤により強度が必要だと、鉄筋の数が多くなり太さも必要です。
間取りが入り組んで基礎設計が複雑だと、資材費と配筋の時間がかかります。
配筋には労務費がかかりますので、追加費用が高額になることを念頭にいれなければなりません。
配管配線
基礎完成後に配管などで穴あけすると、設計強度を低下させ建物を支える基礎となりません。
基礎設計時に上下水の配管や電気の配線管を決めてから施工します。
その数が多かったり複雑だと費用がかさみます。
無駄なくシンプルで効率よく計画し、間取りを決めておくと節約できます。
基礎高さや深さ
高めの床下や腰高の基礎は、その分の作業と資材が増えるので高額になります。
寒冷地で凍結深度が深いと基礎全体が高くなります。
掘削作業も深くて、水道の引き込み管も深い位置を通しますので作業費がかかります。
寒冷地では深さが90cm以上必要な地域もあります。
ライフラインを決めないと基礎設計できない
布基礎やべた基礎を設計施工できるセルフビルダーはそうはいません。
プロの施工業者に発注すべきですが、まずは基礎設計作成を依頼することになります。
その時までに建物の電気、水道などのライフラインのことは決めておかなくてはなりません。
それが決まっていないと設計のしようがなくて、費用も見積りできません。
上下水の配管は?給湯設備は?
例えば、こんな条件で基礎設計が変わります。
- トイレもお風呂も不要
- トイレは必要、お風呂は不要
- トイレもお風呂も必要
水まわりが一切要らない1は、基礎部分に水道管を通す必要がないので基礎設計がシンプルで施工も簡単です。
2はトイレがあるので上下水道管を基礎設計に入れる必要があります。
トイレお風呂が必要な3は、温水を使うためボイラーも検討しなければなりません。
それらは基礎設計に反映されるので住宅同様の基礎工事になります。
自分でコストダウンできることはないか?
建てる地域の基礎施工業者は、土地の特性や気候を良く知っています。
知らなかったその土地の事を教えてくれるかもしれません。
昔の災害履歴や地下水、土質、気候、風習など地域に根差していないと知りえない情報もあります。
建物を元請で一括受注するホームメーカーに、ない知識を持っていたりします。
まずは、地域の専門業者を調べる
基礎施工業者は下請け企業が多いのも事実です。
ホームページを開設していなかったり、SNSを公開していないことも多いでしょう。
設計会社や配管、電気の設備業者からクチコミで紹介してもらうのも良いかもしれません。
建てる地域が決まったら、良き業者を探すところから小屋づくりがはじまります。
なぜ、地元業者が良いの?
コンクリートの品質は、打設時の技術で完成が大きく左右されます。
気温やワーカビリティー改善に合わせて混和剤を適切に使用できて、散水をこまめにする養生がポイントです。
小屋だって何十年も使用されます。
その間に災害やトラブル発生が必ずあり、修繕や長持ちさせるためのメンテナンスが必要です。
その土地の気候や土質、風土などの特性を良く知る地元業者が心強いのです。
基礎設計できれば、建物設計もほぼ完成
基礎設計ができあがる時には、電気水道ガス等のライフラインが決定されてます。
トイレやお風呂の有無や場所と間取りも決まっています。
つまり、基礎設計とは建物の設計そのものと言っても良いのです。
手順は設計完了→基礎工事発注
「とりあえず基礎だけ作ってもらう…」というのではなく、小屋建物の全体図面が完成してから基礎の相談をしましょう。
小屋をつくる方は、「だいたいこんな感じで…」と基礎工事の見積もりを、うやむやに依頼する方がいます。
図面が無いと業者も積算見積りがうまく進みません。
そのため、どうしてもやや高めの価格で見積もりします。
電気配線や空調ダクトも基礎設計に反映されることもあります。
やはり、全体図面が完成してから基礎見積もりを依頼しましょう。
まとめ、複数の業者にお見積り依頼を
基礎設計図が完成して建築現場も決まっていれば、精度がある見積りを依頼できます。
複数の業者に問い合わせて、見積りを依頼してみましょう。
金額だけで判断しないで、品質や施工工程の差が出ていると思います。
見積価格の違いをしっかり理解しましょう。
価格だけで決めてはいけない
安いところに決めたい。高いのは悪い業者…
そうとは決めつけずに、見積内容を見ながら施工工程について質問してみてください。
基礎工事業者は下請け企業が多く、接客や消費者との商談契約に慣れていません。
基礎工事の品質は、作業の丁寧さと施工経験の数に比例する感じがします。
不器用でも真摯に話を聞いてくれたり、施工実績も聞いたりして確認すると、技術や信頼性がわかったりします。
「建物は基礎」というように、小屋でも大切な施工工程です。
基礎を直接セルフビルドしなくても、部分発注するには勉強が必要です。
コレも広い意味でDIYと呼べるでしょう。
しっかり納得いく基礎完成を目指しましょう。
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