バイクガレージや工房をセルフビルドしよう!
そんな計画をする時に、換気のことを忘れずに検討しましょう。
ガレージや工房には長時間室内に居ることがあります。
排気ガスや作業工房で出たダストの排出には換気が必要です。
換気は住宅設計でも重要なポイントです。
せっかくセルフビルドするなら使いやすい建物にしたいですね。
小屋作りを考えるにあたり、断熱とも深いかかわりがある換気について把握しておきましょう。
換気目的は、汚染空気と水蒸気の排出
換気の目的は、新鮮な空気を取り入れることです。
有毒ガスや悪臭粉塵等の汚染空気を室内から排出させる必要があります。
一酸化炭素中毒は事故原因となることが多いです。
水蒸気を排出して室内の湿度をコントロールする目的もあります。
換気を計画しよう
一日に人体から1リットルの水分が発生します。
煮炊きしたり洗濯したりするとそれ以上になります。
鍋パーティですと、たった1時間で1リットル以上の水蒸気が室内に放出されます。
大量に放出された水蒸気は、窓や壁が冷たいと結露になります。
内部結露でカビが発生し木造建物の腐朽を促進させます。
喫煙したり大人数になると、急速に室内の空気が汚染されていきます。
ガレージでは排気ガスはもちろん、オイルや揮発性気体の発生もあります。
窓を開けたりして一時的な換気も有効ですが、自然換気だけでは不十分です。
常時、強制的に空気を入れ替える機械換気は重要です。
換気回数とは?
換気を設計するときに必要なのが、「換気回数」と呼ばれる目安です。
換気回数とは1時間あたりに室内の空気が、何回入れ替わるかの単位です。
機密性が高い建物では、ほとんど空気が動かずに汚染されていきます。
法令での居室の換気回数は、0.5回/h以上とされています。
しかし、この0.5回というのは最低限の換気と思ってください。
実際には足りていません。
必ずこの数値よりは上回るように換気設計しましょう。
換気が原因の事故
冬の灯油ストーブ使用や災害時のエンジン発電機使用による、一酸化炭素中毒の事故が多発しています。
勘違いしてはいけないのが発電機の室内利用です。
換気の有無にかかわらず車庫や倉庫でも使用は禁止です。
それほど有毒ガスの発生が大量です。
一酸化炭素中毒事故を引き起こす危険性が高いです。
10分や20分の短時間でも発電機の室内使用はやめましょう。
灯油ストーブやカセットコンロの使用でも注意が必要です。
機械換気されていることを必ず確認してください。
機械換気と自然換気
換気は、下記の四種類に分類されます。
- 第1種換気:強制的に給気排気し圧力差がほぼ無い
- 第2種換気:強制給気で室内が正圧になる
- 第3種換気:強制排気で室内が負圧になる
- 第4種換気:自然換気で室内外の温度差で生じる気圧差を換気に利用する
機械換気では個別に設けることも
このうち第1~3種の強制換気とは、機械換気のことで換気扇などをいいます。
第2種の正圧になる換気は、木造建物の居室で使われることはありません。
小屋や木造建物に使われやすいのは、負圧になる第3種換気です。
室内面積が小さい時はトイレや浴室の換気を利用して第3種換気とします。
トイレや台所では個別換気を
小屋にトイレや台所、浴室を設置する時は、個別に換気を設ける必要があります。
悪臭や水蒸気、煙など一時的に大量に発生するときは、個別に換気扇を計画する必要があります。
自然換気にはパッシブ換気もある
自然換気とは窓を開けたり電力等エネルギーを使わない換気です。
基本的に換気口のみの設置です。
気圧差・温度差・風力を利用する換気をさします。
パッシブ換気はエネルギーを使わない
第4種の自然換気でも設計段階から計画的に自然換気を利用するため、換気口の配置や空気経路を考えて、基礎や屋根まわりまで建物一体を換気計画するパッシブ換気もあります。
パッシブ換気の一例としては、床下の冷たい空気を全室内くまなく循環させて、最終的に屋根から排出するように換気計画するものです。
要するに設計時から自然換気を積極的に考える換気方法です。
換気の排気量
住宅で目にする換気扇の排気量は、どれくらいなのでしょうか?
- レンジフード(台所換気扇):500~600
- 24時間換気扇や浴室:120~150
- トイレ換気扇:60~80
単位は(㎥/h)です。
台所の換気扇はトイレの10倍も排出量があるとは驚きですね。
それだけ室内の調理は一酸化炭素や臭気、水蒸気が発生するということですね。
まとめ
換気は断熱や結露に関係が深く、組み合わせて総合的に設計時に検討する必要があります。
小屋を建てる時に軽視されがちな換気は、設計する時から窓配置や断熱とともに計画しましょう。
一酸化炭素中毒による事故は死亡事故につながります。
暖房や調理には換気が絶対必要と覚えておいてください。
換気が要らない電気暖房
簡単なのは屋根を中心に断熱施工して、電気暖房を熱源とする方法です。
電気暖房だと一酸化炭素の発生を心配することなく使用することができます。
気になる電気代も断熱施工しておけば、熱損失も防ぐことができて節約できます。
換気を積極的に考えよう
換気により空気循環があって温度湿度をコントロールできている室内は、とても快適で居心地が良いです。
寒冷地では換気で失われる室温を、熱交換機で補う方法もあります。
冷房暖房、窓、断熱、地域条件など、換気は複合的に考えて設計しなくてはなりません。
小屋作りの設計において、換気は重要なので積極的に考えましょう。
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