小屋が完成した!
すぐに壊れない?
大丈夫だと思うんだけど…
せっかく苦労して完成させた小屋…
すぐに壊れないか不安ですね。
積雪や強風、地震など、設計時に検討することがたくさんあります。
建物には、さまざまなチカラ(外力)がかかります。
外力の方向や強さはそれぞれです。
設計の数値、単位はちょっと難しいので、わかりやすく見てみましょう。
作る前の設計が大切です!
小屋を計画する時に考えなくてはならない、作用する外力を紹介します。
垂直方向にかかる力は?
まずは縦方向にかかる力を考えてみます。
地球の重力で垂直にかかる荷重は、固定荷重、積載荷重、積雪荷重などがあります。
建物自体の重さ、固定荷重
固定荷重とは、使用している建物の構造物や仕上げ材料、建材の重量を言います。
屋根材料ですと、瓦の重量は約790N/m2です。
アスファルトシングルの重量は約200N/m2なので、瓦は3倍以上重いことになります。
床については、板張りと畳敷きでは、約1.5倍以上も畳敷きが重いです。
壁についても、せっこうボードとモルタル塗り(内壁せっこうボード)では、約2倍モルタル塗りが重いです。
「建物の重さ=建材の重さ」という事を意識してください。
傾きにもつながる重量バランスも注意しましょう。
人や家具などの積載荷重
小屋の室内に入れる家具や、収納物など人間も含めて積載荷重と言います。
積載荷重の大きさは、衝撃性や集中性も考慮しましょう。
落としてしまったり、荷重が変動するものは、床に衝撃荷重がかかります。
バイクスタンドは荷重が集中したり偏ったりします。
偏心や床面がゆがむ原因となります。
積載荷重は変化する荷重です。
収納物により変わります。
小屋の使い方や室内に入れるものをシュミレーションしておきましょう。
場合によっては積載荷重を割り増ししなければなりません。
積雪荷重
積雪荷重は、雪の単位重量や屋根の面積、それと地域の垂直積雪量によって決められます。
屋根こう配や雪下ろしの頻度なども考慮されます。
垂直積雪量が1m未満か超えるかで、一般か多雪地域を区分してます。
積雪の単位重量は、通常下記のようにすることが多いです。
- 一般区域:20N/m2/cm(面積1㎡・積雪1cmあたり20N)
- 多雪区域:30N/m2/cm(面積1㎡・積雪1cmあたり30N)
多雪地域は長期積雪により、雪が締まったり融解凍結を繰り返します。
雪密度が上がったりして重くなるため、それを考慮されてます。
水平方向の荷重は?
水平方向にかかる主な荷重は、地震力や風圧力です。
水平方向にかかる荷重は、小屋の高さや建物の壁面積、重量やバランスが影響します。
構造にゆがみやたわみが生じやすくなります。
それらを防ぐために耐力壁の配置や釘を打ち込む間隔など、多くの検討が必要です。
水平方向の外力は床に作用します。
基礎の固定が重要なポイントになります。
地震による小屋の被害
2018年に発生した北海道胆振東部地震で、札幌市近郊のPANELHOUSEユーザーから数件の被害報告がありました。
すべて基礎ブロック置きの物置サイズでした。
基礎と小屋がズレたという水平荷重による被害と推測されます。
基礎からズレ落ちても窓やドアはスムーズに開閉できて、小屋建物自体はほぼ無傷でした。
強風の小屋被害
ツーバイフォー工法で適切に建てられた建物なら、風速50m/sの強風でも構造を破壊される可能性は低いです。
しかし、基礎と固定していない小屋は移動したり、吹き飛ばされる可能性が高いでしょう。
地震力と同じく、水平方向の外力は建物構造にも大きく作用します。
床に作用しますので基礎との固定が大切になります。
常時か?臨時か?
外力を検討するときに、建物に力がかかり続ける継続時間でも評価が区別されます。
常時荷重
常時、力がかかり続けるのは、固定荷重、積載荷重です。
降り積もった雪が融けないで、根雪になる多雪地域の積雪荷重は常時かかる荷重となります。
長期にかかり続ける外力は、建物に負担をかけ続けます。
それだけ作用する力が大きくなることを考えておきましょう。
臨時荷重
一時的に発生する荷重は、水平方向に作用する荷重が多いです。
地震力や風圧力です。
降雪してもすぐに融ける一般地域の積雪荷重は、臨時として考えられます。
まとめ、雪、室内荷重、風、地震
タイニーハウスや小屋も建築物です。
自然環境で発生する外力がかかります。
降雪地では地域の垂直積雪量を必ず調べておきましょう。
最低気温も把握しておきます。
実際の積雪の様子や除雪の方法も考えておきましょう。
地震や風圧に関する備えは人命にかかわる事で大切です。
水平力は床や基礎に作用します。
基礎と固定していない小屋は慎重に検討が必要でしょう。
お店は室内が重くなる
小屋暮らしのライフスタイルなど使い方によって変わってきます。
積載荷重は変化が大きい使い方には十分な検討が必要です。
多くの人が出入りする店舗を計画する時は、荷重を割り増しして計画しなければなりません。
商品や設備は重いです。
そこにお客様が入店したら、床にかなりの荷重がかかります。
使用する建築材料は、長期に使うことで建物にゆがみやひずみがでてきます。
床がたわむと人は不安や不快を感じます。
設計時には建材重量を把握しておく必要があります。
重い建材を使う時は建物が傾いたりする可能性があります。
小屋全体の重量バランスを意識しなくてはなりません。
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